光と影が溶け合う、ソフトミニマルなリビング空間
すりガラスから、やわらかく光の入るリビング。
夫婦二人で住むマンションリノベで一番こだわったのは、この部屋の光だ。
ハンドドリップコーヒーを淹れて、読みたかった本に浸る日曜の午後。
仕事終わり、ソファでうとうとする水曜の夕方。
フロアランプの穏やかな明かりで、映画を見る金曜の夜。
どんなに忙しい時にも、ここに座ればゆっくり落ち着いた気持ちになれる。
部屋の主役は、二人で座っても十分な広さのあるソファ。
そっと包み込む座り心地、素肌に触れて気持ちの良い素材、すっきりと細い脚。
インテリアとしての存在感もありながら、くつろぎ時間の相棒でもあるから、バランスは大切。
少しずつ色をずらしたファブリックで揃えることで、穏やかな品の良さを。
Audo Copenhagenのガラス扉の飾り棚には、お互いとっておきの器を置く。
棚そのものが唯一無二の存在感で、ほとんどアート作品としてこの部屋に迎えた。
中のものが、波ガラスから透けてぼんやりと見える姿も美しい。
有機的な曲線と、自然の造形美。
豆の形のようなコーヒーテーブルや楕円形のカーペット、
不規則に波打つガラスの花器や陶のオブジェ。
ゆるやかなカーブは、部屋にやわらかい空気をつくりだす。
天然石を四角柱に切り出したかのような飾り台は、
さっと花を生けるだけで、そこに風景が生まれる。
モダンな盆栽や天然精油のソイワックスキャンドル。
心を癒してくれる小さな自然をいつも側に。
天然ウールスキンの風合いが気持ち良い
ニッティングラウンジチェアもお気に入り。
ゆるやかに溶け合う光と影。
北欧らしい温かみと和のミニマリズムの交錯。
手触り感のある素材とやわらかなフォルム。
居心地の良さと研ぎ澄まされた美しさが同居する、ソフトミニマルなリビング空間。
Styling : Yusuke Takeuchi
Photo : Sayuri Murooka