永く続く手仕事と技術。

POJ Studio 塚本はな

NEW NORDIC × JAPANESE CULTURE
北欧と日本文化の交差点を探る特集 vol.2

和と北欧。日本とデンマーク。あるいは、京都とコペンハーゲン。

ILLUMS 青山店で行われている企画展“Light and Shadow”の連動特集として、二つの文化に共通する美学や価値観を探ります。


第二弾は、POJ StudioのCo-Founderであり、クリエイティブを担う塚本はなさんへのインタビュー。

アメリカで育ったバックグラウンドから、日本の工芸や伝統文化の美しさを外側からの目線で見出し、世界中に向けて発信している塚本さん。
京都にあるPOJ Studioのショップや、自身が手がけられているホテルMaana Homesなどの内装をデザインする上で、インスピレーション源のひとつになっていたのは「ニューノルディックデザイン」でした。

日本の工芸とニューノルディックデザインのインテリアが共鳴する理由、両者に共通するエッセンスについて伺いました。

ーなぜいま、日本文化に魅力を感じているのでしょうか?

私は12歳からずっとアメリカで育って、向こうでデザイナーやアートディレクションの仕事をしていました。

数年前に日本に帰国して、京都に住むことになって。京都って歩いているだけで、町家やお寺など何百年もある建物や伝統にたくさん出会うんです。そうしているうちに、古いものを見る目線が変わっていきました。

また、その時偶然同じタイミングでアメリカから日本に引っ越してきた小山ティナ(共同創業者)と出会い、彼女をきっかけに日本各地にいる工芸の職人さんのアトリエや工房に伺うようになりました。彼らの技術に感銘を受けると同時に、その技術たちが途絶えかかっているということがショッキングで、小山と一緒にPOJ Studioを立ち上げたんです。



ーPOJ Studioでは、工芸の技術と現代的なデザインをどう掛け合わせているのですか?

POJ Studioでは、伝統的なプロダクトたちを、もっと現代の生活や、海外の人たちの生活の中に溶け込みやすくして、毎日使えるような提案をしています。実は、デザイン自体はもともと職人さんたちが作っていた定番の形から少しだけしか変えていなくて、それよりも「どう使うか」「どう見せるか」を考えています。

たとえば、のれんってもともと壁にかけるものではないですが、タペストリー的に飾っても可愛いんじゃないか、とか。それ使い方間違ってるよ、という人もいるかもしれない。でもそうやって新しい楽しみ方でみんなが生活に取り入れることで職人さんたちの仕事が続いていけるなら、その方が全然いいと思うんです。

いまの日本は、安くて便利なものが増えてしまって、なかなか質のいいものを買わない人も多いように思います。でも、少し高かったとしても、本当にいいものを長く使う方が心も生活も豊かになっていくんだということに、気づいてもらいたいですね。


ーニューノルディックデザインに興味を持ったきっかけは?

以前、旅行でデンマークへ行ったときに、偶然日本のデザインについての展示をやっていたんです。その時に、デンマークと日本でこんなに共通点があるんだ、と初めて興味を持ちました。

その後、私が手掛けた雑誌や、京都の町家ホテルの関係で、Norm Architectsや芦沢啓治さんに出会いました。(彼らはニューノルディックデザインを代表するような二人だと思います。)

志向するテイストも似ているし、意気投合して、お互い情報交換したり、今でも交流は続いています。いつかコラボレーションができたらと思っています。




ーニューノルディックと日本文化にはどんな共通点があると思いますか?

古くからの国民性や文化としては、「クオリティーオブライフ」が高いということや、ものを長く大事にするところが似ているなと思います。現代の日本は変わってしまった部分もありますが、そういった昔からある精神性を取り戻していくべきだと思います。

デザインの観点で言うと、ミニマリズム、シンプリシティ、侘び寂び、クラフトマンシップ、古くから続く技術、素材にフォーカスしているところ、自然を取り入れるところ、何百年も生きるデザイン…きりがないほど共通する部分が多い。

今回のILLUMSでのポップアップでも、店頭でニューノルディックの家具とPOJ Studioの工芸品を並べてみて、やっぱりとてもよく馴染んでいるなと感じました。ぜひ、みなさんにもお店に来て、その親和性を感じてもらえたらなと思います。

Ambientec

Turn+(ターン プラス)

すべてのパーツを、金属のかたまりから削り出して構成されたテーブルランプ。回転しながら削り出す様子から「TURN」という名前は生まれました。
Turn+(ターン プラス)は、TURN同様の削り出した金属の素材から3種類のバリエーションをベースに、職人により磨き上げられたクリスタルガラス、亜鉛ダイキャストのケージで構成しデザインを最高の質感で実現しました。

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ferm LIVING

メリディアン ランプ

ユニークなフォルムのスタンドライト
魅力的なフォルムは、3つのシンプルな幾何学的要素に基づいています。この3つの要素を組み合わせることで、すっきりとしたモダンな表現を実現しています。
マットな質感がインテリアに馴染みやすく、どんなお部屋にも合わせやすいです。

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GUBI

TS サイドテーブル ラウンド

特徴的な細い脚が美しく交差するディテールとテーブルトップの対比が存在感を放つTSコレクション。

どんな部屋にも洗練された彫刻的な美学を生み出します。先鋭デザインユニットとして世界を席巻するガムフラテージが、コペンハーゲンの有名なレストランThe Standard(ザ・スタンダード)のために設計しました。

レストランの頭文字からその名がつけられています。素材の厳選と、シンプルな中に繊細な美学が宿る、ガムフラテージらしいデザインです。

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ferm LIVING

ウタ ピース

ユニークなフォルムのサイドテーブル。

不規則なフォルムはインテリアにインパクトを与えること間違いなし。ブルータリズムにインスパイアされたUtaの魅力的なフォルムは、シンプルな幾何学的形状で構成されています。

素材はパイン材を使用。濃いブラウンと木の温もりがナチュラルな印象です。ユニークなフォルムと調和しエレガントな表情を作り出します。スツールとしてもお使い頂けます。

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POJ Studio CCO 塚本 はな

名古屋出身、12歳で単身渡米。有名スタジオへの就職に向けて、アート、音楽、デッサン、DIYに没頭。これらを勉強する中で、他所を目指すのではなく、独自の感性を育むことが楽しくなっていった。10年間ニューヨークでアートディレクターとして活動。2019年に20年以上にも渡る海外生活を経て帰国、インバウンド向けの宿泊施設を開業。京町屋の改装デザインやインテリアにこだわる中、今まで遠い存在であった日本の伝統文化が一気に身近になり、その技術、質感、物語に圧倒され、POJ Studioに導かれた。

<開催中>

「“Light and Shadow” with POJ Studio」



POJ Studio による日本の器や和紙の照明、お香、花器、お茶など、フルラインナップに近い豊富な品揃えで展開予定。ILLUMSの提案するニューノルディック家具との組み合わせを、ご体験いただけます。


■場所:ILLUMS 青山店(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-35-8 ハニービル青山 1F)
■開催期間:2023年4月20日(木)〜5月16日(火)※水曜定休
■営業時間:11:00 〜 19:00

POJ Studio


POJ Studio(ピーオージェースタジオ)は「Pieces of Japan」の頭文字で、「日本のかけらたち」を意味しています。上質な工芸品を通じて、世界各地で日本の一部が暮らしの一部になることを思い描いています。2020年のオンラインショップ立ち上げ当初から、日本の伝統技術が詰まったPOJ Studioのモダンなインテリアアイテムが北米、ヨーロッパ、オーストラリアで注目を集めています。2022年には、初の実店舗を京都国立博物館や三十三間堂にほど近い京都の中心部・東山にオープン。金継ぎ教室、お香作り、組子細工体験などのワークショップも随時開催しています。

ショップ所在地:京都府京都市東山区妙法院前側町427-19
営業時間 :10:00〜18:00(定休日 火・水)

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